あらすじ:トゲ抜き師の姉が東京にある「本棚荘」 を留守することとなった。
そこで同じトゲ抜きをしていた私(妹)が留守番することになる。
本棚荘とは文字通り本棚で埋め尽くされている建物だ。
部屋も本棚で埋もれているが、どの本棚も本が入っていない。
何故なら、ここの住人は誰も本を読まないのだ。
そして、本棚荘にはもう一つ変わったところがあった。
それは、本で家賃を払うことであった。
しかし、近年は本で家賃をもらうこともできなくなり、現金で家賃を払っている。
私は留守をしながら姉の客のトゲを抜いたり、本棚荘に住んでいる変わった住人と会話を交わすようになる。
様々な出来事があり、姉と交代で本棚荘を出て行くこととなる。
道中も様々なことがあり、物語は余韻を残して幕を閉じた。
感想:一言で言うなら変わった話。
出会ったことのない分類だった。一人ひとりの住人が個性的だったので、不思議感を抱きながら現実味があった。
個人的に本棚荘に住みたい!全部の本棚を本で埋めたい。
本棚ばかりの部屋や家賃を本で払うだなんて素敵すぎる。
現実にもあればいいのにと思うほどだ。
物語は全てを明かされておらず、謎のままがまた良い。
想像を掻き立てられる。
今回、初めて紺野氏の小説を読んだが、この作家の他本も手に取ってみようと思った。
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